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先天性四肢障害児父母の会

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津久井やまゆり園事件についての声明

2016年10月 先天性四肢障害児父母の会

 2016年7月26日に、「津久井やまゆり園」で19名の尊いいのちが奪われ、27名が負傷するいたましい事件が起きました。犠牲者ならびにそのご家族に深い哀悼の意を表するとともに、被害にあわれた方々の早期のご回復をお祈り申し上げます。

 容疑者は「障害者はいないほうがいい」という思想の下、重度の障害者を選んで殺傷したそうです。身勝手な判断でいのちの選別をしたのです。事件後、多くの障害者団体や個人から非難の声が寄せられる一方で、容疑者の主張に同調するような書き込みもネット上では見受けられました。優生思想が現在でも根深く存在し続けていることを再認識させる事件でもあったと思います。

 私たち父母の会は発足から40数年、先天性の障害のある子どもたちを育て、社会とつながる活動をしてきました。多様な違いのある子どもたちの成長と向き合う中で、「みんな、おなじいのちの仲間」という思いがゆるぎないものとなっています。「いないほうがいいいのち」などありません。しかし、今回の事件は、障害のある人やその家族に大きな衝撃を与えました。住み慣れたところでも突然襲われるのではないかという恐怖と不安を感じている人もいます。

 今年4月に障害者差別解消法が施行されましたが、2006年の国連での障害者権利条約採択、2014年の我が国における条約批准という経緯の中で、障害のある人やその支援者たちは「私たち抜きで私たちのことを決めないで」と、活発な活動をしてきました。多くの人の努力により、障害のある人に対する理解が深まり、障害の有無にかかわらず、誰もが胸を張って生きていける社会に一歩近づいてきたように思われました。その矢先に、歴史の歩みを後退させるような事件が起きてしまいました。

 今回の事件による打撃を払拭し、これまでの歴史の歩みを進めていくためには、私たちがひるむことなくこれまで通りの活動を続けていくことが大切だと思います。先天性四肢障害児父母の会は、さまざまな障害のある人や関係団体と力を合わせ、すべてのいのちが差別されることなく、尊厳が守られる社会、子どもたちが堂々と思いきり生きていける社会の実現をこれからも目指していきます。


先天性四肢障害児父母の会

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